De-plastic projectプラスチック削減プロジェクト
ニューテック大船テクノセンターのメンバーが中心となり、製品の製造・出荷・保守・サポート業務で使用される
プラスチック消費量の劇的な削減が実現しました。
HDDの梱包材からプラスチックを無くそう
私たちニューテックは、データストレージを中心に取り扱うコンピュータおよび周辺デバイスの製造・卸売りメーカーです。取り扱っている製品の大半にハードディスク(HDD)を搭載しているため、生産拠点で検査したHDDを全国のお客様への納品や保守拠点への配備に毎日のように発送しています。HDDを1本運送するのに使われる内装材は左の写真のとおり。まずHDDをプラスチックのシェルケースに入れて、気泡緩衝材(プチプチシート)で包み、上下をバラ緩衝材でサンドし、段ボール箱に入れて蓋を閉めて梱包完了です(写真右)。
プロジェクト前の梱包の様子
大船テクノセンターでは、これら業務の中で、プラスチック消費量の多さを日々目の当たりにしており、SDGsの観点からこれを紙に置き換えられないかと考えていました。素材や強度、耐久性などALL紙化による梱包への知見を深めるため、まずは小型な予備ディスクの梱包箱からプラスチックを紙に置き換えることを目標に掲げ『プラスチック削減プロジェクト』が始動しました。
株式会社トヨコン様との共同開発で誕生したALL紙化梱包箱
プラスチック削減を実現するために、梱包資材と物流のプロフェッショナル・株式会社トヨコン様(本社愛知県)を共同開発のパートナーに迎えました。私たちは『HDDを保護する耐衝撃性・耐振動性を備えること』『ローコストであること』『サイズ違いの6種類の内容物(各種トレイ付きHDD)を一つの箱で対応すること』という課題を挙げ、開発はスタートしました。
初めに試作したのは左右の緩衝材でHDDを挟み込むタイプでしたが、組み立ての作業性が悪くNGになりました。
次に試したのは外箱と内箱が一枚の紙になっているタイプでしたが、保証書などの書類が収納できないことや、構造上の問題で仕上がりが一回り大きくなってしまう事になりこれもNGになりました。
こうして試作を重ねながら前段の3つの課題をさらに掘り下げて、作業工数や紙の使用量に対しても最小限に抑え、無駄がないものを完成させることを目指しました。試行錯誤の結果、従来の梱包形態にとらわれることなく、内容物を巻き寿司のように巻き込みながら箱の形状に組み立てるALL紙化梱包箱が完成しました。
パーツ数を極力減らす為、内装材は「巻き+折り」により1部材での作製が実現しました。これにサイズ調整用の可変式パッドを組み合わせた「箱・ロールアームパッド・可変式パッド」の3部材で6種類の予備ディスクの梱包材を共通化することに成功しました。落下試験による耐衝撃性・耐振動性の性能もニューテックの基準値をクリアしています。当梱包箱は、2023 日本パッケージングコンテスト工業包装部門賞を受賞しました。形状が機能に追従した、まさにグッドデザインです。
プロジェクト後の梱包の様子
HDDを包み込むような形で内箱に梱包し、それを外箱に収納します。収納した時の遊びが外部からの衝撃を吸収し、緩衝する役割を担います。
プラスチック年間100kg、Co²排出量500kgの削減に成功
完成したALL紙化梱包箱を採用した結果、ニューテックでは、年間でプラスチック100kg、二酸化炭素排出量約500kg削減を実現することができました。他にも、これまで資材置き場を占有していた気泡緩衝材やバラ緩衝材の保管スペースを大きく削減することが出来ました。
2024年1月
ニューテック環境方針
ニューテックは ISO:14001 に則り、循環型社会の形成を推進して参ります。
株式会社トヨコン
ロールアームパッド
株式会社トヨコン様 Webサイト(外部) ロールアームパッド紹介ページへリンクします。