TBS開発局デジタル開発センター
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- ご導入前の課題
- ニューテックを選んだ理由
コンテンツ共有サーバのバックアップ
東京放送(TBS)開発局デジタル開発センターCG担当では、3D CGを中心にTBSのテレビ番組用CG全般の制作を担当しています。
制作物は、番組のオープニングや、エンディング、ドラマの合成、番組内で解説のために使用されるCG、番組進行中に現れる3D、2D CGによる各種デコレーション、3Dキャラクターなど、番組をトータル的にビジュアル化するためのものがメインです。
一方、最新鋭の映画技術を駆使し、「ピンポン」などの大ヒット作の制作を手掛けるなど、映像のエキスパート軍団としての評判も高い。制作物のクオリティーを追及される部署で、30分程度のHDTV動画編集でも通常数百GBの容量が使われます。
同セクションでは、現在コンテンツ共有サーバとしてハイエンドのFilerを使用し、ローカルネットワーク(LAN)接続で20数名のスタッフがSGIのワークステーションやWindows PC端末を使って、番組用CG製作に取り組んでいます。
ネットワークは、サーバーと接続するバックボーン部分でギガビットイーサー、各端末までは100Baseイーサーを使用しています。
従来FilerのようなハイエンドNASをバックアップするには、NASの二重化(=Filerの二重化)、もしくはNDMPに対応したベンダー限定(しかも大概高価)のテープ装置を使う、という2つの方法しかありませんでした。前者はハイコストで導入できるユーザーが限られますし、後者は後者でデータバックアップ及びリストア(復元)スピードの遅さが一番の問題です。通常、業務時間内の本番機CPUへの負荷を避けるため、テープバックアップは夜間に行われるのが現場レベルではある種の常識となっています。データ容量がTBクラスともなれば、日々の差分バックアップだけで徹夜作業が続くのが日常茶飯事です。いざというときにテープ装置からFilerへデータをリストアするにも長時間掛かり、その間作業が一時ストップせざるを得ません。従って、現場システム管理者にとって、限られた予算の中で、
- データバックアップ所要時間の短縮化
- データリストアの高速化
が共通した課題です。
そこで解決手段として、Filerの国内正規販売代理店でもある丸紅ソリューション株式会社との共同提案で、ニューテックIDE-RAID装置をベースにしたバックアップシステムを昨年春に納入させて頂きました。Dell製PCサーバにNDMP対応のバックアップソフトをインストールし、SCSI接続でニューテック主力商品の一つであるConfidence ATAII IDE-RAIDを2台増設して、ディスクtoディスクベースで、Filerをオンラインでバックアップします。
ソフトウエア設定で週一回のフルバックアップと月~金曜までの差分バックアップを全自動化し、データはすべて総容量3TBに上るディスクストレージへ保管します。IDEベースRAIDでITBのコストは約100万円、バックアップソフトと合わせてもトータルコストは500万円以下に抑えられました。導入後の効果として、以下のような点が挙げられます。
- ディスクベースのバックアップによりバックアップ所要時間はテープに比べ1/3以下まで短縮。
- 比較的少量な差分データについては昼間業務時間内でも高速バックアップが可能となり、より小刻みに差分情報の保存ができ、しかもLANへの負荷は最小限に留められる。
- いざというときには、ディスクtoディスクベースで瞬時にデータを復元することができる。
- バックアップ用NASにテープ装置をつなげば、最終的にテープへのデータアーカイビングも可能、しかも、バックアップ時には、プライマリーのファイルサーバのCPUを使う代わりに、バックアップ用NASのCPUを使うため、昼間業務時間内でもシステムへ負荷を掛けることなくテープバックアップできる。
システム導入から一年近く過ぎた今も快調に稼動している、とのことです(写真:設置風景&TBS開発局デジタル開発センター副部長CG担当 梅田賢二様)。
ちなみに、ディスク装置の低価格化により、NetAppのNearStore R100や日立のVF100シリーズのようなハイエンドNAS向けディスクベースバックアップ装置や、QuantumのDX30のような汎用型のディスクベースバックアップ装置が最近相次いでリリースされ、この事例のようなディスクtoディスクベースのバックアップ手法がユーザーにも着実に受け入れられつつあります。
(2003/7/1)