Newtech Replication Suite ご導入事例
- 導入いただいた製品
- ご導入前の課題
- ニューテックを選んだ理由
大容量ストレージ管理が飛躍的に効率アップするストレージ仮想化技術で、新たなストレージ管理体制を構築された、お客様の事例をご紹介します。
お客様のご紹介
このお客様は、主たる事業が各種製造機器の設計製造です。お客様事業所内の情報システムとして、主に設計CADデータを中心としたテラバイトクラスのファイルサーバが日常的に運用されています。
今回、お客様のファイルサーバリプレイス及びバックアップ・危機管理対策の増強に際し、従来よりも柔軟に拡張が行え、耐障害性の担保力が確保でき、費用対効果の面でもメリットがあるとして、ニューテックのNewtech Replication Suite(以下NRS)をご導入いただきました。
ご導入のポイント
今回、ご導入にあたりご選定にご尽力いただきました、ご担当者様にお話を伺いました。過去には単純なサーバメーカー製IAサーバとOSによる単純なファイルサーバの構築にて運用を続けられていらっしゃいました。しかしながら、今回のリプレイスご検討にあたり、次回の更新時期である5年後を見越した際、CADソフトウェアのバージョンアップや製造物責任を考慮した設計データのより細かな履歴蓄積の必要性、設計以外の一般事務分野でも、WindowsVistaTMなどクライアントOSの変化により、確実にファイルサーバの容量増大を考慮する必要がありました。
現状の1TB前後の容量から5?6TBの容量を導入し、維持管理する必要が出てきたわけですが、現状の1TBでもバックアップ時に発生する、数多くのオープンファイルエラーをはじめとした、バックアップの運用困難はさることながら、万一データ消失が発生した際の復旧時間について、数日以上かかってしまうことや、数日かけてもエラーで復旧できないリスクを考慮した際、安易に容量の増強をすることに抵抗があったとのことです。
そこで、SATAベースを中心としてストレージが安価になってきたことを考慮して、ストレージ筐体間のミラーリング等をご検討されました。バックアップソフトウェアで有名な某社から発売されているVolumeManager等のソフトウェア製品では、その管理工数の多さや、ソフトウェアであるが故の課題を抱えていまいた。特にソフトウェアの場合、本来業務用サーバに、ストレージ管理ソフトウェアがアプリケーションソフトウェアとして追加で介在し、そのサーバの本来業務への負荷や安定性、頻繁なソフトウェアアップデート作業について、決して使い勝手と費用対効果が高いものではなかったとのことです。
そして、これらの課題を解決するために、NRSをご導入いただきました。ご導入のポイントとしては、以下を挙げていただきました。
- NRSはハードウェアアプライアンスであり、アプリケーションサーバへの負荷や、ソフトの組み合わせを一切心配する必要がない。
- ニューテック製の幅広いストレージ製品群(SASディスク・SATAディスク)を用途別に柔軟に選定でき、システム全体として非常にローコスト。
- ストレージ筐体間のミラー同期パフォーマンスが非常に高速である(2TBボリューム間のフル同期に約8時間前後)。
- 事後の機能追加や、ディスク増設が容易に可能で、しかもローコスト。
ご導入に先立ち、ニューテックによるデモンストレーションをご覧頂いた後、実際にお客様でもNRSを一定期間仮運用による検証を行って頂き、システム構想と相違ないことを徹底的にご確認いただき、確実なご選定をしていただきました。また、操作面でもNRSは一般の運用管理についてGUIを中心として行うため、従来のソリューション以上に簡便でわかり易く、柔軟性が高いことをご評価いただきました。
システム構成の概要
NRSで構築されたボリュームは、同社様の設計開発用ならびに一般事務用ファイルサーバストレージ領域として、運用を行われています。時に急遽新規プロジェクト用に必要となったストレージ領域でも、NRS上の仮想ボリュームから、残領域を簡単に割り当ていただくことにより即利用が可能になります。そのバックボーンではNRSによりストレージ筐体間でリアルタイムミラー(HAミラー機能)を行い、万一ストレージ筐体ごと片系統が故障してしまっても、予備系ストレージ筐体への自動切換えにより、障害発生に対してノンストップ型の運用を実現しています。信頼性の高いSASディスクストレージを、さらに筐体間でミラーを行っているので、障害に対し非常に担保力の高いシステム構成とされています。
また、3面目のミラー領域として、非同期ミラー領域をSATAディスクストレージでご用意されています。ここには、リアルタイムミラー領域から、毎日一回の静止ボリュームとして非同期ミラーされており、リアルタイムミラー領域が万一両系統とも障害発生してしまっても、この3面目のボリュームを(昨晩時点のデータになりますが)即利用できます。また日々のテープバックアップ用のターゲットボリュームとしてもご活用いただいています。
今後のシステム増強について
NRSは、事後の機能追加や拡張が柔軟に行えますから、本システムによる運用が軌道に乗り、想定以上の容量消費が発生した際は、追加のストレージ筐体を、ニューテック製の費用対効果の高い製品群から自由にご選択いただき、容易にオンラインで増設できます。次の段階としては、災害対策を主眼とした遠隔地へのミラーリング(AIM機能)をご検討いただいており、この場合も現用システムを原則停止せずに機能追加できます。このように、最小限の初期投資にてシステムを稼動開始いただき、事後の事業展開に併せて柔軟に適切な費用投資で拡張できるのもNRSのメリットです。このように、NRSはお客様にとって、主事業の中核を担うストレージ・ソリューションとして位置付けられています。
(2007/5/7)