惑星科学研究センター(CPS = Center for Planetary Science)
国内外惑星科学の学術拠点CPSの叡智を集積するストレージシステム
惑星科学研究センター(CPS)は、国内外の惑星科学の学術拠点として惑星科学研究の知見情報を集積する場となるべく、2007年4月に神戸大学大学院理学研究科に設置されました。その後、2008年、神戸大学-北海道大学連携による「惑星科学国際教育研究拠点の構築」が文部科学省によるグローバルCOEプログラムに採択され、本格的な活動に向けて基盤整備が開始されました。(2009/10/30)
- 導入いただいた製品
- CPSの研究活動において生成される実験データ・解析データの集積、また定期・非定期に開催しているセミナーの録画データ保管のためのディスクストレージを必要としていた。
- ご導入前の課題
- CPSの研究活動において生成される実験データ・解析データの集積、また定期・非定期に開催しているセミナーの録画データ保管のためのディスクストレージを必要としていた。
- ニューテックを選んだ理由
- 別プロジェクトにおいてニューテックストレージ製品の導入実績があり、特にサポートに満足した経験から、CPSでも採用を視野に入れていた。
惑星科学研究センター(CPS)は、国内外の惑星科学の学術拠点として惑星科学研究の知見情報を集積する場となるべく、2007年4月に神戸大学大学院理学研究科に設置されました。その後、2008年、神戸大学-北海道大学連携による「惑星科学国際教育研究拠点の構築」が文部科学省によるグローバルCOEプログラムに採択され、本格的な活動に向けて基盤整備が開始されました。
CPSセンター長の中川義次神戸大学教授は、惑星科学研究について、以下のように述べています。
「惑星科学は、地学、天文学、物理学の3研究分野に跨る学問です。1995年に太陽系以外の惑星が発見され、今では350以上もの太陽系外惑星が発見されています。惑星科学は、恒星における元素合成、ガスやダストの生成と物質進化、原始惑星系円盤における惑星の形成と進化、惑星の多様性の発現に至る過程などを解明し、それらの理解を統合して惑星系の起源・進化・多様性に関する一貫した描像を構築することを目的としています。
理論や、かぐややガリレオ・ボイジャーなどの衛星や探査機を利用した惑星探査、天体観測、室内実験、コンピューターシミュレーション等を駆使し、惑星やダストなどの相互作用が働くN体問題や、地球外生命体の可能性につながる液体の水の存在、太陽系惑星の大気運動など、様々な観点から惑星の全体像の把握のための研究推進を行っております。」
CPSの活動は、惑星そのものの研究のみならず、以下の五つのコーディネーショングループ(CG)に分かれ研究活動を行います。
教育研究CG:教育プログラムの設計提供や研究集会の開催支援を行い、共同研究の企画調整などに従事する。
基盤CG:共通利用可能なソフトウェアの開発など、教育研究活動に必要とされる基盤的な資源の開発整備あるいは開発整備活動の調整支援を行い、インターネットサーバの運営と知見情報の集積、アーカイブなどに従事する。
国際連携CG:海外の教育研究機関との人材交流や海外への情報発信を支援する。
社会交流CG:企業との研究連携の促進や博士修了者レベルの就職活動を支援する。
将来構想CG:若手研究者とともに惑星科学の展開を構想し、必要な提言を行う。
この度、ニューテックがCPSに導入したシステムは、林祥介教授を中心とする基盤CGを中心に行っている知見情報集積のための大規模ストレージシステムです。神戸大学および連携研究を行う北海道大学の予算で導入したストレージと合算すると、RAID6構成時、約100TBに及ぶSupremacy RAIDを導入させて頂きました。
当システムを導入するにあたり、複数のサーバ/ストレージベンダーを比較検討されましたが、林教授をはじめ全国の研究者による草の根活動である地球流体電脳倶楽部(カタログ19号掲載)での弊社製品の導入実績及び、サポート力を評価され、最終的に、hp製DL380 G5+Supremacy RAIDの構成にて製品選択が決まり、2009年3月納入に至りました。
基盤CGとしてCPSサーバを管理している基盤CGのメンバーである西澤誠也氏、高橋芳幸氏は、大規模ストレージシステムの利用について、以下のように説明しています。
「2008年にCPSが文部科学省のグローバルCOEプログラムに採択されて以降、北海道大学との連携の中で、まず北海道大学の予算で、CPSサーバを購入しました。購入した一部を神戸大学でも利用し、これを知見情報の集積のために利用しています。またCPSでは、定期・非定期に行っているセミナーの内容を録画し、インターネットで配信しています。その配信のためにも大容量のストレージが必要です。神戸大学で購入したCPS解析サーバは、CPSの活動を支える若手の研究者や学生に対してアカウントを発行し、若手研究者たちが惑星科学に関する多用なデータの蓄積や解析ために利用しています。これらのデータは主に、衝突実験などの実験データや、各地の大型計算機センター、東大が開発したGRAPEを導入した計算機、地球シミュレータ、PC等を利用したシミュレーション実験データ、解析結果データです。」
「ニューテックのSupremacyを選定した理由は、知見情報の集積のため、地球流体電脳倶楽部で同社製品を利用していたからです。特にサポートでは大変お世話になっており、引き続き、CPSでも利用したいと考えておりました。今回の導入では、予算確定、システム構成考案、導入まで短期間であったのですが、十分に対応頂き非常に満足しています。」
神戸地区は、2012年の次世代スーパーコンピューターの稼動開始に伴い、国内外のスーパーコンピューターを利用する研究者が多く集まります。神戸大学はその中核の大学として、CPSのみならず、工学研究科の一部が改組し、計算科学の研究を専門に行うシステム情報科学研究科(仮称)の設立、兵庫県立大学の計算科学研究分野の充実など、スーパーコンピューター稼動に伴う、研究の相乗効果が期待されています。
中川教授は、取材の最後に以下のように述べています。
「惑星科学のことなら、CPSと言われたいですね。日本を代表するセンターに育て上げることが私達の役目です。」
(2009/10/30)
- 関連リンク
- SupremacyⅢ RAIDシリーズ