ニューテックが提案する NVMe 応用製品
現在、弊社にて取り扱っている NVMe 応用製品についての製品紹介、性能比較のコラムとなります。
実機検証データを元に製品の特長と推奨用途を紹介いたします。
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- ニューテックを選んだ理由
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製品紹介
ScaleFlux CSD3000
米国、中国、インドに拠点を置くデータストレージ専業メーカであるScaleFlux社が開発した製品です。
NVMeSSD U.2フォームファクタ内にCPUとNANDを一体化した製品となります。
GRAID SupremeRAID SR-1000シリーズ
米国と台湾に拠点を置くGRAID Technology社が開発した製品です。
NVDIA製GPU(T1000)をそのまま利用した製品で、ライセンスを適用することでRAIDカードとして利用できる製品となります。形状もGPUそのままでPCI-Eスロットに増設するだけでSSDとPCI-Eバスで接続されますのでSASケーブルのような接続はありません。
以下のような使い分けができます。
・すぐに高パフォーマンスな製品を使いたい:ScaleFlux CSD3000
⇒専用ドライバ追加不要のため、接続するだけで通常のNVMeSSDのように使えます。
・SSDの容量が足りない:GRAID SupremeRAID SR-1000シリーズ
⇒RAID構成することで容量問題が解決でき、RAIDレベルによりますがSSD故障対策にもなります。
・SSDの寿命が気になる:ScaleFlux CSD3000
⇒圧縮書込みを製品内部で行うため、寿命も延び、容量も節約できます。
・障害発生時にリモート通知したい:GRAID SupremeRAID SR-1000シリーズ
⇒メール通知機能があるため、リモート通知できます。
主な仕様
本コラム評価対象
ScaleFlux CSD3000
GRAID SR-1000 ED12
対応OS
Linux,Windows
Linux,Windows
専用ドライバ追加
無
有
設定管理方法
専用ユーティリティ
Linux版はCLI、Windows版はGUI
専用ユーティリティ
CLI
構成可能な最大NVMe台数
8
12
対応RAIDレベル
RAID非対応
RAID0,1,5,6,10
GRAIDシリーズ
GRAID SR1010 FD32
GRAID SR1000 FD32
対応OS
Linux,Windows
Linux,Windows
専用ドライバ
有
有
設定管理方法
専用ユーティリティ
CLI
専用ユーティリティ
CLI
構成可能な最大NVMe台数
32
32
対応RAID
RAID0,1,5,6,10
RAID0,1,5,6,10
接続規格
PCIe×16(Gen4)
PCIe×16(Gen3)
使用レーン数
2
1
各製品の組込イメージ
ScaleFlux CSD3000の組み込みイメージ
GRAID SupremeRAID SR-1000シリーズの組み込みイメージ
性能比較
上記2製品と、単体のNVMeSSDでfioコマンドでベンチマークを取得してみました。
以降の表記は、ScaleFlux CDS3000をCSD、GRAID SupremeRAID SR-1000をGRD、単体のNVMeSSDをSSDとします。
ベンチマーク取得環境
サーバ:CloudyDP(第4世代)
CPU:Intel Xeon Gold 5416S 2.0GHz 16Core 32Threads x2
メモリ:256GB
OS:
Ubuntu22.04 kernel 6.5.0-21-generic(CSD、SSD)
Ubuntu22.04 kernel 5.15.0-43-generic(GRD)
※CSDとSSDは、ベンチマーク取得時の最新バージョン。
GRDは動作要件にあるOSとカーネルバージョン。
使用した製品:
CSD:ScaleFlux CSD3000 3.8TB x1
GRP:GRAID SupremeRAID SR-1000 ED12 + Micron7450 960GB x8
SSD:Micron9200 1.92TB x1
ベンチマーク取得条件:
・fioコマンドにて、ベンチマークを取得
・GRDは、NVMeSSD8本でRAID5を構成
・すべての製品は、ファイルシステム作成後、マウントしていない状態で、fioを実行
ベンチマーク結果
シーケンシャルライト
fio実行時のパラメータ
bs=128K, numjobs=1, iodepth=128,
(圧縮有の時) buffer_compress_chuck=4k, buffer_compress_percentage=72
CSDでは、圧縮有の時に圧縮無の2倍近い結果となりました。
GRDでは、圧縮無の方がスループット、IOPSともに良い結果になりました。
SSDには圧縮機能が無いため、圧縮有無では値は変わりませんでした。
シーケンシャルライトでの総合結果は以下のようになりました。
SSD<CSD<GRD
シーケンシャルリード
fio実行時のパラメータ
bs=128K, numjobs=1, iodepth=128,
(圧縮有の時) buffer_compress_chuck=4k, buffer_compress_percentage=72
シーケンシャルリードにおいては、どの製品も圧縮有無での結果はほとんど変わりませんでした。
GRDが飛び抜けていい値が出る結果となっています。
シーケンシャルリードでの総合結果は以下のようになりました。
SSD<CSD<<<GRD
ランダムライト
fio実行時のパラメータ
bs=4K, numjobs=4, iodepth=128,
(圧縮有の時) buffer_compress_chuck=4k, buffer_compress_percentage=72
CSDでは、圧縮有の時に圧縮無の5倍近いスループット、50倍近いIOPSの結果となりました。
GRDでは、圧縮有無でほとんど差は出ませんでした。値としてはかなり良い結果となりました。
SSDには圧縮機能がないため、圧縮有無で値は変わりませんでした。
ランダムライトでの総合結果は、以下のようになりました。
SSD<<CSD<GRD
ランダムリード
fio実行時のパラメータ
bs=4K, numjobs=4, iodepth=128,
(圧縮有の時) buffer_compress_chuck=4k, buffer_compress_percentage=72
ランダムリードにおいても、どの製品も圧縮有無での結果はほとんど変わりませんでした。
シーケンシャルリードのような極端な差は出ない結果になっています。
ランダムリードでの総合結果は以下のようになりました。
SSD<GRD<CSD
性能比較まとめ
CSD
ライトに関しては、圧縮有無でかなり値が変わってくるため、特に圧縮可能なデータの場合は、処理時間の短縮が見込める結果となり、SSDの寿命を延ばすことも期待できるのではないかと思います。
リードに関しては、ランダムでは1番よい値が出たため、こちらも処理時間の短縮が見込める結果になったと思います。
圧縮書込みで容量の節約ができ、その分SSDを増やす必要がなくなるため、初期投資や電力などTCOの削減が可能な製品だと思います。
GRD
ライトに関しては、シーケンシャル・ランダムともに良い値が出た結果となっており、処理時間の短縮が見込める結果になったのではないかと思います。
リードに関しても、シーケンシャル・ランダムともに良い値が出た結果となっており、こちらも処理時間の短縮が見込める結果になったと思います。
GPUを利用した製品のため、今回のようなiodepthが128と深い値(≒同時に多数のデータアクセスを想定)の処理に強い製品だと思います。
今回の測定結果は、特定条件での一例であり、今後も違う条件で比較しながら、各製品の長所をつかんで、お客様のご利用シーンに合わせた最適なシステムを提案していきます。
最終更新:2024年9月17日