DAS、NAS、SANの違いについて
DAS/NAS/SAN、適材適所なストレージ選びをご支援いたします。
この記事では、ストレージの基本的な接続形態であるDAS/NAS/SAN について、それぞれのメリット・デメリットをご紹介し、適材適所なストレージ選びをご支援いたします。
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- DAS、NAS、SANの違いについて
本ページに記載された技術情報は記事が出稿された時期に応じて推奨システムに対する考え方や実現方法が書かれています。 |
ストレージの基本的な接続形態として、DAS、NAS、SANがあります。サーバに直接ストレージを接続するのがDAS、ストレージを既存のネットワーク上に接続しデータのやり取りをその上で行うのがNAS、そして、サーバの後ろに新たにストレージネットワークを構築し、ストレージを統合するのがSANです。現在ではストレージ技術の向上や低コスト化で、適材適所の様々な運用方法がとられていますが、改めてそれぞれの形態について基本的解説をいたします。
DAS(Direct Attached Storage)
DASは、一台のコンピュータにストレージを直接接続する接続形態で、今日までの主流を占めていました。通常、ストレージの接続にはIDE、SCSI、FCが用いられます。IDEはEIDE、UltraATAなどの規格があり、コンピュータに内部ストレージを接続します。SCSIは内部ストレージだけでなく、外部ストレージとの接続も可能にしました。FCはSCSIと同様外部ストレージを接続しますが、接続長がSCSIよりも長いという特長がありますので、サーバと外部ストレージの間が離れている場合にも利用できます。
メリット
- 接続に必要な投資コストが低く、専門の知識も必要がありません。
- 基本的にサーバからのディスクアクセスパフォーマンスが高いです。(構成によります)
- 増設が簡単で、SCSIならデイジーチェーン接続で複数台のストレージを接続できます。同じくFCを用いた場合もデイジーチェーン接続が可能で、接続台数は最大127台とSCSIを大きく上回ります。
※FCのデイジーチェーン接続について
FCは、FC-ALのループ接続を形成して複数台のストレージを接続します。この場合、ハブが必要になりますが、ニューテックのFCインターフェイスを持つストレージならハブを内蔵していますので、容易にデイジーチェーン接続を実現できます。
デメリット
- 複数のサーバにそれぞれストレージが分散される形になりますので、組織全体としてのストレージ総合把握が難しくなります。また、バックアップもそれぞれのサーバで行う必要があり、管理に手間がかかります。
- サーバのCPU消費率が高くなります。
NAS(Network Attached Storage)
NASは、既存のサーバ構成を変更せず「ネットワークに直接接続できるディスク」という発想で生まれた接続形態です。NASはファイル共有に特化したOSと、ネットワークインターフェイス、ストレージ(内部、外部)を持ち、すぐに導入ができ、ストレージ不足の問題を即座に解決します。
現在は、機能を絞った廉価版から機能、管理ツールなどが充実したハイスペック製品まで幅広い製品ラインナップが数多く揃っています。
メリット
- ネットワーク上に配置しますので、導入が容易で大がかりなインフラの整備も不要です。
- ファイル共有に特化したOSのため、非常に安定性がよく、メンテナンスにも手がかかりません。
- Gigabit Ethernetの普及により今まで以上にパフォーマンスが向上しています。
- 高機能なNASを導入すれば、ユーザ認証など豊富な機能がありますので、新たにファイルサーバを設置する必要がありません。
- FC接続でNASにストレージを追加することにより、大容量ストレージの構築が可能です。
- LVM(Logical Volume Manager)機能を持つNASなら、ディスク増設時も一つの共有ディレクトリに割り当てることができるうえ、スナップショット機能と合わせスケーラブルなストレージ管理が可能です。
※LVMによるディスク増設時の例
新規増設でも新規のディレクトリを作成しなくて済みます。
※スナップショット機能の概要
スナップショットは自動スケジューリング・手動によりファイル履歴管理が行えます。スナップショットを実行した時点のi-node情報を保持し、更新されたファイルを保護します。
デメリット
NFS、CIFSなどのファイル共有サービスを行っているため、特定ファイルへのアクセスには適していますが、データベースアプリケーションには適していません。
FC-SAN(Storage Area Network)
LANから独立したストレージ専用のネットワークを構築して、ストレージとサーバをFCで相互接続することにより、効率的なストレージの統合管理や、柔軟な運用を実現することを目的としたストレージ接続形態です。「FCによるストレージネットワーク」という「新規のインフラ」を構築する必要があります。
メリット
- ストレージが統合されていますので、複数サーバからのディスク使用ニーズに対しストレージを配分し、再分割するなどの手法で柔軟に対応できます。
- データ転送がFC接続による専用ネットワークのため、帯域幅の利用率が良く、高速で信頼性の高い通信が可能です。
- データが各サーバOSのファイルシステム上に保存され、ストレージにはブロックレベルでアクセスします。そのため、頻繁にデータの読み書きを要求するようなデータベースや、大容量データの取り扱いに適しています。
- 独自のストレージネットワークを構築しますので、既存のネットワークに影響を与えません。
以下は、SANの構成の一例です。
デメリット
- 新しいインフラを構築しますので、DAS、NASに比べ導入コストの負担が大きくなります。
- SANのストレージネットワークを管理するためのソフトウェアの導入と、FCなどの管理スキルを習得する必要があります。
(2003年11月掲載)