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バックアップとレプリケーションの基礎知識

データを冗長するバックアップとレプリケーション。目的に合わせて適切に使い分けるとより効果的です。

バックアップとレプリケーションは似て非なるもの。このドキュメントではバックアップとレプリケーションそれぞれの環境のサンプルを例に、それぞれのメリットとデメリットを挙げ、どのようなケースにバックアップが有効なのか、またレプリケーションが有効なのか考察していきます。

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本ページに記載された技術情報は記事が出稿された時期に応じて推奨システムに対する考え方や実現方法が書かれています。
したがって、最新技術でのシステム構築を前提とし、この情報を利用する場合、その記事が時代に沿わない内容となる事もありますので予めご了承ください。

バックアップもレプリケーションも、万一のストレージ障害によるデータ消失に備えるために行うもので、データ消失の要因として考えられるのは、主に5つです。

  1. ストレージのハードウェア障害
  2. オペレーションミス
  3. 地震・火災・水漏れ等の災害
  4. コンピュータ・ウイルス
  5. アプリケーションのバグ等

バックアップとは

システム運用でバックアップといえば、テープ装置が一般的ですが、最近はバックアップ・リストア速度改善のためにディスクtoディスクの仕組みが使われるようになりました。

バックアップの運用例

バックアップの運用例

バックアップソフトウェアを使用したバックアップの場合、バックアップデータはそのままではアクセスできません。データを復旧するには、リストア作業で元のファイルの状態に戻す必要があります。バックアップソフトウェアを利用すれば、一般的には、任意のディレクトリやファイル単位でのリストアが可能です。
このリストア作業は時間がかかることがあり、バックアップ構築には事前に実際のデータを利用して、リストアの所要時間=システム完全復旧までの時間を予行練習して把握しておく必要があります。

例えば、Super DLT320では・・・
毎時115.2GBとありますが、これは2:1圧縮時の最大値なので、非圧縮ならば毎時57.6GBになります。さらに細かなファイル等が含まれた際、毎時20~30GBとなることもあります。そこで、テープのオーバーヘッドを回避するための工夫として、ディスクtoディスク バックアップの仕組みでの導入事例が増えています。

一方、テープ装置を使った静的メディアへのオフサイトの保管、つまり、データテープをシステムから取り出し、オフラインでデータを保管することも重要視されています。
ディスクtoディスク バックアップの仕組みでは、バックアップ領域のディスク自体が、1~2に遭遇することも考えられます。ディスクtoディスク バックアップは日常のバックアップ リストア速度を高速化するためのバッファー的な手段として考えていただき、1~5の全てに備えるために最終的には静的なバックアップ( =テープ装置)と連動する必要があります。

バックアップでは、最終的に静的なメディアに保管すれば、1~5全ての要因に備えることが可能ですし、一般的に容量単位価格もレプリケーション構築をするよりも安価ですが、データ消失時に備え、リストア所用時間を考慮する必要があります。

レプリケーションとは?

以前は、ストレージ容量が小さかったことや、ストレージ障害時のシステム停止時間が多少許されるシステムが多かったため、テープ装置にバックアップしたデータをリストアして復旧する手段であっても十分実用的でした。しかし、24時間ノンストップが要求されるシステムが一般的になり、システムによっては、テープによるリストア時間を待つことができないものが多くなってきています。
ここへ、ストレージが低価格になってきたことにより、もう一台同じストレージを導入し、常に同じデータなも別々のストレージに記録しておき、万一本番ストレージで障害発生の場合は待機している予備系ストレージにほぼ瞬時に切り替え、運用を継続するという仕組みがレプリケーションです。

レプリケーション概念図

レプリケーション概念図

この仕組みを従来のハードウェア等で構成する場合、ストレージを2重に配置したりすることなどから、コストは当然高くなります。ニューテックでしたら、ATA-RAIDや低価格なFCスイッチ組み合わせることで、従来のレプリケーションに比べ低価格でシステム導入が可能です。

レプリケーションの場合、上記の3の災害対策を考慮すると同一のサイトに予備系ストレージを配置せず、距離的に離れたサイトに設置することを検討することも必要です。これは勿論そのシステムの位置付けによるものですので、同一サイトで運用される場合もあります。離れたサイトに予備ストレージ系がある場合、そこまでデータを送るためのインフラを考慮しなければなりません。一般的に別サイトへのインフラの帯域が広くありませんから、これを機にインフラを再構築することも必要な場合があります。また、予備系ストレージへどのタイミングでデータコピーを行うかも重要なポイントになります。リアルタイムにデータコピーされるのが一番良いように思われるのかもしれませんが、1や3には有用でも、2や4に対しては、予備ストレージ系にもウイルスが伝わり、誤って消したデータも予備ストレージ系でも同様に消去されてしまうため、無力です。これに対処するためには、予備ストレージ系にデータを送るタイミングを毎日夜間とするように、リアルタイムコピーとしない運用法を取るか、前述のように静的バックアップからの復旧に頼ることになります。リアルタイムとするかどうかはシステム要求と予備系ストレージへのインフラ等を統合的に考慮する必要があります。

レプリケーションは、RAIDの仕組みと同様、あくまでも「ストレージへの障害時でもシステムの継続性を得る」ためのもので、バックアップではありません。このため、レプリケーションでも別途静的なバックアップの仕組みを付加しなければなりません。実際には、予備系ストレージサイトにディスクtoディスクやテープライブラリでのバックアップを組み合わせることになります。

レプリケーションはデータ消失時の業務継続性に焦点を置いているので、バックアップのようにリストア所要時間を気にする必要がないのがメリットですが、予備系ストレージへのデータコピーポリシーによっては、1~5の全て網羅することができない場合があるので、上手くバックアップと組み合わせる必要があります。また。予備系ストレージを遠隔地に置いてこそ、3に対し有効性が増すので、その場合予備系ストレージへのインフラを場合によっては再構築が必要であり、構築にあたって検討すべき点が多くあります。ニューテックでは、この複雑な検討項目をコンサルティングさせていただきますので、お気軽にご相談ください。

ニューテック製品でのレプリケーション構成例

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※ローカルサイト内でレプリケーション・ミラーリングをする構成もございます。詳細についてはお問合せください。

(2004年6月掲載)

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